親を老人施設に託している人は多く、託すまでのプロセスには彼らの子供でもある私たち自身、家族、そして本人、それぞれの理由や葛藤、選択があります。
そうやって悩み、選んで託したはずなのに、他人に親の居場所を告げるときになぜか小声になったり、口篭ったり、どこか後ろめたさを感じています。それは、これほど施設が増えてきたにもかかわらずです。
そこで、これからの施設を考えていくにあたって、「収容する」から「サービスを提供する」へと介護の本質を求め、親を託す私たち、また、入居する本人にとっても一抹の後ろめたさや諦め感を感じさせないもの、まだまだ人生は終わらないと前向きな気持ちになれること、その自分の人生を楽しくするのは自分の力であって、その生き方をサポートするのが、この施設であり、スタッフであり、家族であるというポジティブな考え方を基本理念においておきたいと思います。